大坂なおみ選手と日本の闇

スタッフのMです。
息子がテニスをしているので、大坂なおみ選手には注目していましたが、こんなに早くグランドスラムで優勝するとは!嬉しい限りです。

大坂なおみ選手の報道で、広まるといいなあと思うのはコーチとの関係。
何でもかんでも褒めればいいってわけではないけど、大坂選手にあった指導を常に意識しているように見えますね。ご家族、特に大坂選手の幼少期のコーチだったお父様も、サーシャコーチも、叱ることはあっても、暴力的なことはなかったのは大坂選手の雰囲気からわかります。罵声を浴びせなくても、ましてやものを投げつけたり、暴力を振るわなくても選手は成長してやがて大きな勝利を手にすることが証明されました。

逆に少し違和感があるのは、大坂選手も男子で活躍中の錦織選手も、選手は日本国籍(大坂選手は現在二重国籍)ですがコーチも拠点も海外です。日本人が活躍していることに間違いはないのですが、国内で完結しているわけではないのです。

今、日本のスポーツ界ではパワハラが問題となっており、教育現場や家庭内の育児おいても虐待がなくなりません。日本が抱える闇だと思っています。
これは「育てられたように育てる」ことが原因に他なりません。叩かれてしつけと称されて育った子はやがて親になると同じことをします。正しいとか間違いとかでなく、その方法しか知らないからです。指導者も同じです。根性論で殴られて全国優勝を勝ち取った人が指導者になれば、日本一になるために殴ります。この負の連鎖をどこかで断ち切らないと、今後スポーツの分野はもちろん、あらゆる面で日本は間違いなく世界から大きく後退していくと思います。

科学的に証明もされていますので割愛しますが、物理的、心理的に暴力を受けた子の脳は萎縮します。物事の判断を司る部分が萎縮すると、ますます問題行動が増えて悪循環になります。自分はだめなんだ、と自己肯定感は低くなります。自己肯定感がないと困難を克服する力もありません。やっても無駄、どうせだめだ、という思考に陥っていきます。
この状態で大人になり、ある程度の権力や地位を獲得すると、パワハラをする人間になります。勝つか負けるか、という動物的本能が高く、自己肯定感が低いので、他人に先制攻撃ばかりしかけるようになるのです。このあたりの仕組みも解明されつつありますが、自己肯定感の低さ、オキシトシン不足では、他人への加害のほか、刺激や快楽を薬物に求めるなど、犯罪行為に及ぶ場合もあります。

私個人は、幼い子に「言ってもわからないから叩いて覚えさせる」というのは常に疑問でした。叩かれて覚えるのは「怖い」「痛い」です。脳を萎縮させてまで、やめさせないといけない行為、命に関わること以外、そんなにないと思うのです。
そして、怖くなくなったら、痛くなる前にやり返せば、という時期にきたときに通用しなくなります。育児でいうと力がついてきた思春期に家庭内暴力へと発展していくわけです。

幼い子に言ってもわからない、のは当然あります。でも子どもは○歳になったから、と急に理解するのではありません。小学生になったら必ずみんなが机に座って勉強する、わけではないのです。その前からずーっと教え続けて、少しづつ、いつのまにか理解し始めていくのです。大人でもまだまだ成長中ですよね、「ああ母が言ってたのはこういうことか」と。
まさに「教えて」「育てる」本来の意味、教育です。

あともう一つは言葉。やはり大坂選手に対してサーシャコーチは「ポジティブシンキング」を指導したと言います。ポジティブとは、前向きな、とよく言われますね。
前向きな言葉かけって何でしょう。君ならできる、は信頼関係がないとただの薄っぺらい無責任な言葉でしかありません。難しいですね、前向きな言葉かけって。

よく、お母さんたちがいうのを聞いていると、例えば歯医者に子どもを連れて行くときの説得。「虫歯になると歯が全部ぬけちゃって何も食べれなくなって病気になっちゃうよ」ってこれ、脅しです…よね。そらそうなんですけど、このあと「じゃあ虫歯にならなかったら」ってお話が抜けがちなんです。「歯医者さんで歯をきれいにして大切にしていると何でも美味しく食べられて元気な体になっていっぱい遊べるよ、ワクワクするね!」
どうでしょうか、虫歯になり歯がぬけ病気にならないためにがんばるか、美味しくもりもり食べて元気でいるためにがんばるか。
せっかく習ったスポーツも、指導者に「叩かれない・怒られないために」がんばるより、そのスポーツが好きで練習を重ねてきた自分を信じて、がんばれるほうが健全でパワーも全然違うと思います。

親でも指導者でも人間ですから、怒りたくもなるでしょう。それは怒ればいいと思います。怒るな叱れ、と言われますが、かーっとなったときは難しい(笑)。
だから「怒っている」と伝えたらいいのです、何に怒っているのかを。
有名なアニメ「ガンダム」の中でのセリフ「殴られもせずに一人前になったやつがどこにいるか」という時代は過ぎて行きました。叩かれもしないなんて甘やかし、ではありません。
くじけず、困難を克服してチャレンジする、真に解決していく力は「自己肯定感」の高さが必要不可欠です。物理的、心理的な暴力は自己肯定感を著しく下げるだけの愚かな行為です。

実は私の学生時代、先生が「こづく」程度は当たり前でした。食堂で売り切れる前に食べなければ、と短い休み時間にも関わらず限定商品「冷麺」を食べ、授業によく遅れました。
出席簿の角で頭を「こつん」とされました。もちろん信頼関係もあり、私自身当然のことをしていると思っていました。それも愛のうちだと。
でも今は違う。そういうことをしなくても、愛情は伝えられるし、間違いを正すこともできる、日本人は進化する時期がきているのです。
負の連鎖を断ち切り、オキシトシンあふれる子育てを、みんなで。
私がまざーずかれすの活動を続ける意味がここなのです。
一人でも多く、自己肯定感ぱんぱんの大人が増えて欲しいと願っています。